リーダーのためのとっておきのスキル作者: 小阪裕司,石田淳出版社/メーカー: フォレスト出版発売日: 2005/12/14メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 74回この商品を含むブログ (15件) を見る
★★★★☆ 良書
著者は塾の経営者。崩壊寸前の状態から改善を果たした際、自分のマネジメントをどう改良したかが述べられている。
失敗している状態の彼のマネジメントは体育会系的。部下に「やれ」と支持し、それができないと「なぜできない。やる気がないのか」と叱る。
まとめ・考察
- ビジネスの世界で起きている事:
(上司) 飛行機に乗せてやる。
(自分) (運転の仕方が分からないので、困ってしまう)本当は、やってみたくて仕方がない。
(上司) 飛びたいんでしょう?早く。
(自分) 実は操縦できないです。
(上司) 飛行機なんて簡単だよ。常識で考えながらやれば、できないわけないだろ。
(自分) 本当にできません。
(上司) なんだ、やる気がないのか。がっかり。おまえはダメな奴だ。(そう言い捨ててどこかへ去ってしまう)
- 良い人材育成とは…
- 社員が自ら進んで仕事に取り組み、楽しみながら成果を上げていく人材になれること。
- 人は、どれだけやっても成果が得られないとき、さらに努力してみようとは思わなくなる。
- やれと支持されて自分で解決できる能力を持つ人は少数。具体的なやりかたを提示すれば、ほとんどの人は実践できる。
- 子供に「しっかりあいさつしなさい」と要求しても、抽象的すぎて子供はないをすればいいのか分からない。そこで、次のように具体的な行動を示した。
- 教室の入り口に「あいさつ線」を引く。
- 入室したらここで立ち止まり、先生に「おはようございます」とあいさつする。
- 帰るときも、ここで回れ右して「お先に失礼します」とあいさつする。
-
- すると、皆実践するようになった。さらに、「よくできたね」「元気な声だな」とほめると、その子供は自信がついてさらに頑張るようになり、他の子供は「自分も」と発奮するようになった。
- さらに、父兄にも「子供が礼儀正しくなった」と喜ばれ、評判が立ち、口コミで生徒数が増え、売り上げがアップした。
- レパートリーを与えずに「なぜできないんだ」と無能呼ばわりしても、何の解決にもならない。
- 現場ではケースバイケースで対処せざるを得ないことがあり、そのために上長から部下への支持がころころ変わることがある。すると「前回はああ言ったのに今回はこう言っている」と部下は感じることになり、上司に対する信頼がゆるいでしまう。
- (解決方法)
- 上長は、なぜ方針変更のメリットを部下に納得させ、モチベーション維持に気を配ること。
- (会議に出席者の誰かが)会議後に議事録を作成すること。何をすべきなのかについて合意を得ておくこと。皆の頭の中を整理する。
- 部下は、会議前に課題に対する進捗をリストアップして提出する。「やるべきことをやっていない」とならないように。
- (解決方法)
- 「こんなの常識だろ」は、部下にとっては厳しい。育ってきた環境や経歴が異なるから。叱る前にやらなければならないことをリストアップしてあげたほうがよい。
- (入社時に)
- 「報告・連絡・相談」の重要性
- 上司などの質問に対する答え方。質問を受けたら5秒以内に yes, no, わかりませんのいずれかを回答すること、などのルールを設ける。
- 悩む時間に制限時間を設ける。例えば5分考えて分からなかったことは上司に聞く。上司は解決につながる具体的な指示を出すこと、など。
- (入社時に)